声劇×ボカロ＿vol.55-H 『 命のユースティティア 』
Crystal Report ～ある調査団の記録～
【全体テーマ】
貫くべき己の正義
【登場人物】
ウェイド・ロータス（16）
廃墟の調査に来ていた一団のメンバー。
言葉は荒々しいが、自分が決めた正義は貫くという強い意志を持つ。
リシェを見つけた時は、単独行動中だった。
リシェ（15）
ウェイドに名前を聞かれ、その時出た言葉を名前と勘違いされる。
記憶を失くしているが、ウェイドにはよく懐いている。
親身に接してくれるウェイドのためにも、記憶を取り戻そうと決意する。
ロベルト・アルガード（35）
調査団の団長であり、孤児だったウェイドの育ての親のような存在。
しかしそんなに子供好きではないため、扱いは雑。
ウェイドの反抗期にも全力で相手をするので、衝突は絶えない。
キース・フルール（28）
ロベルトの補佐をしている、ウェイドのよき理解者。
前に出たがりでよく留守にするロベルトの代わりに、一団をまとめている。
後方支援の鬼。研究者のルーシアを唯一“先生”と呼ぶ。
レイラ・レナンド（16）
ウェイドと同じく孤児で、調査にも同行中。愛称は“レレ”。
密かにウェイドに恋心を抱いているが、まったく相手にされていない。
歳の近いリシェと、なんとか距離を詰めたいと悩んでいる。
ルーシア・ノルン（24）
失踪した姉の手がかりを掴むために、調査団に同行している研究者兼医師。
興味をひかれた物に没頭してしまう癖があるため、たまに姉のことを忘れる。
探究者ゆえの無謀者。危険な場所へ赴くことも厭わない。
【キーワード】
・廃墟の少女
・クリスタル結晶の街
・隠された真実
・僕らのユースティティア
【展開】
・未来を生きるために世界を旅する一団がいた。彼らは立ち寄った廃墟で、一人の少女と出会う。
・月明かりがうっすら差し込む夜、旅団の前にクリスタルで覆われた街が出現する。
・街の外れにあった塔に近付くにつれ、途切れ途切れに記憶を取り戻していくリシェ。
・暴かれた真実。奪われた世界を取り戻すために、それぞれの正義を貫く。
《注意（記号表記：説明）》
「」 → 会話（口に出して話す言葉）
Ｍ → モノローグ（心情・気持ちの語り）
Ｎ → ナレーション（登場人物による状況説明）
※ただし「」との区別をつけるため、ＭおよびＮは、：（コロン）でセリフを表記する。
また本編は“Ｎ（ナレーション）”を中心に展開される。
【本編】 第８話 螺旋の邂逅
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ウェイド「あった！これだ！」
キース 「どれ？……って、ウェイド！せめて確認してから押」
ウェイド「え？」
キース 「…しちゃったのね」
ウェイド Ｎ：ボタン型のスイッチを押すと、すぐそばで扉が開いた。
円形の空間の中央に細い棒状のものがある。
ロベルト「これがそうか」
キース 「おそらく」
レイラ 「じゃあ早く行きましょう！リシェはこの上なんですよね！？」
キース 「だとしても妙ですね。まるで僕たちがここに来るとわかっていたみたいな」
ロベルト「……罠、だろうな」
ウェイド「ならどうしろって言うんだよ！！ここに、この上にリシェがいる！これがたとえあいつの罠だった
としても、俺たちには他に…！」
ロベルト「わかってる！だから待てと言ってるんだ！！おそらくお前の読み通り、二人はこの上にいるだろう。
だがこの高さだ。何が起こっても、気をしっかり持てるか？」
ウェイド「俺は別に高所恐怖症じゃ」
ロベルト「そうじゃない。一歩間違えば死ぬ高さに、今から俺たちは上がるんだ。加えてまったく予想できない
場所だ。リシェの身にも、何か起こってる可能性だってある。それでもお前は正気を保てるかと聞い
てるんだ」
ウェイド「そう言ってる間にそれこそ」
ロベルト「聞け！！俺はお前があの子を助けたいと言うなら協力する。だが無茶は許さん。てめえの命で彼女を
助けたところで、誰も喜びはしないからな」
ウェイド「……ちっ」
ロベルト「わかったか？」
ウェイド「ああ」
キース 「では行きますか」
ロベルト Ｎ：全員が中に入り、数秒すると、扉はひとりでに閉まり、それは動き出した。
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ロベルト「 Crystal Report ～ある調査団の記録～ 」
「 第８話 螺旋の邂逅 」
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レイラ 「うわっ」
ウェイド「っと。上がってる…のか？」
レイラ 「そうみたい。うー、なんか変な感じ」
ロベルト「いったいどういう仕組みなんだ、これは」
キース 「わかりません。少なくとも、今の都にはないものですね。しばらく帰ってませんが」
レイラ 「ねぇ、これは何？」
キース 「これは……何でしょうね」
ロベルト Ｎ：レレが指したのは、床から伸びる細い棒状の何か。
中央にあること以外、特に目立った特徴は見られない。
ウェイド「うおっ」
レイラ 「け、結構揺れるね」
ロベルト「そりゃここはあの柱ん中だからな。いろいろと不安定なんだろう」
キース 「……そうだ。そうですよ。ここは塔じゃない。ただの柱。外で見たように、形は歪なんですよ」
ウェイド「何をいまさら」
キース 「だから中央にこれが。なるほど」
ロベルト「おいキース、説明しろ」
キース 「あ、はい。これは中心制御体…とでも言えばいいのでしょうか。歪な形であるこの中を移動するた
めに、あらかじめ引かれていたレールのようなものに合わせて、この棒が動いていると思ってもら
えればわかりやすいかと。先ほどから揺れているのは、そのためだと思います」
ロベルト「そういうことか」
レイラ 「えーっと、これがこうで、中がこうなってて…。あ、なるほど」
ウェイド「呑気に分析してる場合じゃないだろ。っと、もっとスピードは出ないんですか？」
キース 「ここでは何もできないかな。それにスピードが上がると、ヘタをすれば外に飛び出ると思うよ」
ウェイド「そう、ですか…」
ロベルト「気を揉んでも仕方ない。無事に着くのを待つんだ」
＋ ＋ ＋ ＋
ルーシア「思ったより気づくのが早かったわね。やっぱりあの子かしら」
ルーシア Ｎ：上に来てすぐに、あれは下へと降りていった。
まだすべてを解析したわけじゃないから、何を理由に下へ向かうのかはわからない。
でも今、ゆっくりと昇ってくる音がする。もうすぐ彼らはここへ来る。
ルーシア「今のうちみたいね。さっさと始めるとしましょう」
リシェ 「……」
ルーシア「あなたも大変だったわね、リシェイル姉さんなんかに拾われて。さ、そこに横になって」
リシェ 「……ねえ、さん？………リ………ル。リシェイ……ル」
ルーシア「ホント長かったわ。でもこうして私とあなたは出会えた。これもまた時の悪戯なのかしらね」
リシェ 「……なに、するの…？」
ルーシア「あら？正気に戻っちゃった？」
リシェ 「あなた私に何するつもりなの！？」
ルーシア「さっきも言ったでしょう？あなたの中の欠片を取り出すのよ」
リシェ 「いや…。来ないで！触らないで！！」
ルーシア「逃げたって無駄。ここには扉も何もない。あるのは姉さんが使っていた機材とアレくらいよ」
リシェ 「アレ…？」
リシェ Ｎ：彼女が見上げた先には、ここよりもさらに高い位置で輝く光。
目を凝らして見ると、その光の中心には欠けた石のようなものがある。
ルーシア「見えるかしら？アレの半分があなたの体の中にあるのよ」
リシェ 「そんな…。そんなことあるわけない！」
ルーシア「今さらどうしたの？あなただってロベルトたちの前で、そう言ったじゃない」
リシェ 「そ、それは…」
ルーシア「嘘だった、とでも言うの？それこそ嘘だわ。あなたもわかってるはずよ。あなたはずっと救いを求め
ていた。どこかで叶わないと思いつつも、諦めきれなかった。そして何度目かの時に、一人の少年を
巻き添えにした」
リシェ 「違う！そんなこと…っ」
ルーシア「じゃあなぜウェイドは、ああまでしてあなたを気にするの？確かにあの子は、そうと決めたら貫くと
ころがあるわ。それを利用したのでしょう？自分が助かるために」
リシェ 「違う…っ、違う…っ」
ルーシア「救われたいのでしょう？姉の手で人形となってしまったことを、なかったことにしたいのでしょう？
だからこうして私が手伝ってあげようって言うんじゃない。わかったら、そこに横になりなさい」
リシェ 「嫌！！これはあの人との、お母さんとのたったひとつの繋がりだから！人形だろうが何だっていい！
今救われなくたっていい！だけどあなたの好きなようにはさせない！！」
ルーシア「いいからこっちに来なさい！！！」
リシェ 「嫌！！！！」
ルーシア「私だってあなたのために乱暴なことはしたくないの！！」
リシェ 「だったら…！」
ルーシア「………でももういいわ。あなたが望んだのよ。悪く思わないでちょうだい」
リシェ 「え…？」
リシェ Ｎ：言い合いをしていた時とは打って変わった低いトーンだった。
距離を取っていたはずなのに、いつの間にか彼女の手が私の首に。
リシェ 「…がっ…あ…っ。あぁ…っ」
ルーシア「安心なさい。殺しはしないわ。あなたが気を失っている間に、すべて終わらせるから」
リシェ 「ぐっ…、あ…っ……あっ…」
ルーシア「…………ふう。あなたには終わりであり、始まりでもあるのだけど。って、もう聞こえてないわね」
リシェ Ｎ：必至の抵抗も虚しく、私は意識を失ってしまった。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
ウェイド「リシェ！！」
ルーシア「いらっしゃい。よくここだとわかったわね」
ウェイド「てめえ！リシェはどこだ！！」
ルーシア「落ち着いてちょうだい。ちゃんとそこにいるでしょう」
ロベルト Ｎ：全員がルーシアの指差す方へ振り向く。
そこには確かにリシェの姿があった。
レイラ 「リシェ！！よかったぁ、無事で。大丈夫？ケガとかしてない？」
リシェ 「……？」
ウェイド「……リシェ？」
レイラ 「リ、リシェ？どうしたの？黙ったままじゃわからないよ」
ロベルト「まさか…！！」
リシェ 「あなた誰？私の知ってる人？」
ウェイド「なっ…！？」
レイラ 「え…。ちょ、ちょっと何こんな時に冗談なんか」
リシェ 「……？冗談って、何のこと？」
ウェイド「リシェ…」
キース 「記憶が？そんな、どうして！？」
ロベルト「……お前、何かやったな？」
ルーシア「待ってちょうだい。私だってこれは予想外のことなのよ。いくらコアが時の中心だったとはいえ、
脳にまで影響が出るなんて」
ロベルト「その言い方だと、すでに目的は果たしたってことでいいんだよな？」
キース 「それって…」
ルーシア「これのこと？」
ロベルト Ｎ：その手には結晶の欠片のようなものがあった。
壁や床と同じ色をしていて、欠片というにはもったいないほど綺麗な形だった。
キース 「じゃあそれが例の…」
ロベルト「ちっ、遅かったか」
ウェイド「そいつをよこせ！！」
ルーシア「おっと。危ないじゃない。それと答えはノーよ。やっと手に入れたのに、わざわざ手放すほど私は
バカじゃないわ。そんな怖い顔してないで、この世紀の瞬間を一緒に喜びましょう」
ウェイド「ふざけるな！！何が世紀の瞬間だ！！」
ルーシア「だってそうでしょう？彼女の身体の中にあったのよ、これは。それも過去に彼女の一部として機能
していたもの。そんなものを失ってもなお、彼女がそこにいる。生きている。これを世紀の瞬間と
呼ばずして何というの？」
ウェイド「くっ」
ウェイド Ｎ：ルーシアの言うことも一理あった。
今のリシェは永い呪縛から解き放たれたも同然。
記憶を失くしたことが副産物だったとしても、これからリシェの時間は動いていくはず。
リシェ 「あ！」
ウェイド「ん？」
リシェ 「あなたも私のこと知ってる人？」
ウェイド「あ、ああ…」
リシェ 「やっぱりね。なんだか初めて会った気がしないの。どうしてかな？」
ロベルト「リシェ。俺やこいつはわかるか？」
キース 「団長？」
リシェ 「……ううん。わからない」
レイラ 「わ、私は！？」
リシェ 「ううん」
ウェイド「俺、だけ…？」
ロベルト「……おい、ルーシア。俺たちはお前の姉を見くびっていたかもしれない」
ルーシア「姉の考えることは、私でもなかなか理解できなかったから、当然よ」
ロベルト「聞いてなかったのか？“俺たち”にはお前も含まれている」
ルーシア「ふん。何を言ってるのよ。こうしてコアも手に入れた。彼女も晴れて自由になった。私が姉の思惑を
かいくぐって、コレを手にしたこと以外、何も間違っちゃいないわ」
ロベルト「そう、それだ」
ルーシア「……？」
ロベルト「お前はそのコアの欠片をどうするつもりだ？」
ルーシア「どう、って…。上のアレと合わせて本来の姿に…」
ロベルト「それで？」
キース 「神様にでもなるつもりですか？」
ルーシア「そうね。それもいいかもしれないわ。時を操れるんだもの。過去と未来を行き来すれば、この壊れた
世界を救うことだってできるかもしれない」
キース 「…ぶはっ。あなたが？」
ルーシア「何が可笑しいの、キース？」
キース 「あ、すみません。あなたが“世界の為”だなんて言うから思わず」
ルーシア「……どういう意味かしら？」
キース 「あなたが軍にいたって聞いて思い出したんですよ。研究の為なら、同僚を犠牲にすることさえも
厭わない、冷酷非道な悪魔がいるってね。それ、あなたでしょう？」
ルーシア「知らないわ」
キース 「表向きは世界の為。でも裏じゃ上層部に取り入って、好き勝手していたと聞きます。人の命すらも惜
しみなく費やして。今ならわかりますよ。どうして都を出る時、難なく検問を抜けられたのか。医療
知識があるだけのあなたを見て、どうして兵士があんなに怯えていたのか」
ルーシア「だから人違いと」
キース 「ただでさえ男所帯の軍で上層部に気に入られるとなると、その噂の悪魔は女性だった可能性が高い。
そして研究者。それも実績があって、市民を治めやすい広告塔のような存在。となれば、あなた以外
考えられませんよ。軍の関係者で研究職の女性なんて、少なくとも僕は他に聞いたことがありません
しね」
ルーシア「地下での私の言葉を信じるなら、そうなるわね。だから何？いいじゃない。どうせ軍でも大した役に
立たない命だったのだから、軍や街の発展に役立つように有効活用してあげたのよ」
ロベルト「こいつ、開き直りやがった」
キース 「そんなあなたが“世界の為”だなんて、可笑しい以外の何がありますか」
ルーシア「姉を超えようと必死だったわ。でも誰にも認められないのも嫌だった。変人扱いされていたけど、
基本姉は優しい人で、自分を犠牲にしても他人を犠牲にはしなかった。だから私は姉とは真逆の道
を選んだの。次第に命の重さなんて感じなくなったわ。だって痛みも恐怖も、生きていればこその
反応なんだもの。いい経験を積ませてもらって、軍には感謝してるくらいよ」
ウェイド「頭逝ってやがる」
レイラ 「最っ低」
ロベルト「……もう一度聞く。お前はコアをどうするつもりだ？」
ルーシア「さぁ、どうしようかしらね。時間はあるし、ゆっくり考えるとするわ。邪魔者を消してからね」
ロベルト Ｎ：ルーシアが取り出したのは銃。地下で見たのと同じものだった。
大して広くもないこの場所で、銃なんて乱射したらどうなるかは容易に想像がつく。
つまりこれは…。
ロベルト「いったん降りるぞ！全員あいつに乗れ！！」
ルーシア「撃たないと思ってるの？」
ロベルト「バカ野郎、撃たせねえんだよ」
ウェイド Ｎ：おっさんの声に反応して、一瞬硬直した俺に向けられた銃口。
その引鉄を引くより早く妨害したおっさんによって、弾は空に放たれた。
ウェイド「おっさん！！」
ロベルト「あとは任せたぞ、キース！！」
レイラ 「団長！」
キース 「二人とも早く乗って！！」
レイラ 「でも…っ！」
ウェイド「俺も残る！！」
キース 「ダメだ！！ほら、早く！リシェちゃんも！」
リシェ 「う、うん」
レイラ 「だったらキースさんも早く…！」
キース 「……ウェイド。君は君らしく、為すべきことをするんだ。彼女が彼女らしく在るためにも」
ウェイド「ちょ、キースさん？何言って…」
キース 「下で会おう」
ウェイド Ｎ：ガシャンと何かを壊したような音がしたかと思うと、来た時とは違って、それは勢いよく降りて
いった。
俺もレイラもすぐに気づいた。
邪魔者扱いされたことじゃない。俺たちは生かされたのだと。
ウェイド「キースさん！！！」
レイラ 「団長ーーー！！！」
＋ ＋ ＋ ＋
ロベルト「あとは任せたと言ったはずだが？」
キース 「まったく、かっこつけすぎなんですよ、あなたは。今も昔も」
ロベルト「近接不得手のお前にゃ、荷が重いと思ったんだがな」
キース 「よくわかっておいでで。でもだからって、あなたをここで失うわけにもいかないんですよ」
ルーシア「話は終わった？あの時と同じね。せっかく助かった命を無駄にしたのよ、あなたたち自身が」
ロベルト「それもまた一つの可能性だと、俺は信じてる」
キース 「……？」
ルーシア「何の話？」
ロベルト「記憶を失くしたはずのリシェが、ウェイドのことだけは覚えているような口ぶりだった。今まで何
度も繰り返してきたリシェの物語の中に、ウェイドは必ずいるのだとしたら？たとえ記憶を失っても、
ウェイドと出会うことが、あの子の時間を動かす鍵だとしたら？そしてそれこそが、ノットの本当の
狙いだとしたら？」
ルーシア「そんなのただの妄想だわ」
ロベルト「そうだな。むざむざ殺られる気はない。だが、俺は俺の信じた可能性を信じる。お前の好きにさせて
たまるか！」
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《次回予告》
キース Ｎ：世界は刻々と動き始めていた。それを現すかのように、天にそびえ立つ柱が崩壊を始める。
同じ頃、地上に降りたウェイドたちの目には、光る粒子が空に吸い込まれていく様が映っていた。
止まっていた時間が、世界が、再び動き出そうとしていた――。
次回『 Crystal Report ～ある調査団の記録～ 』
第９話 このソラを照らすのは
リシェ 「ねぇ、どうして逃げるの？」
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