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​※敬称略 

​Neru 

Crystal Report ~ ある調査団の記録 ~

 『 この世で起きる信じ難い出来事を体験する者は極稀だ。しかし我々は偶然にもその体験者となった。

  

  世界が混乱に陥った時、世界の衰退をその身で感じた時、人々は希望を探し彷徨い始める。たとえそれが限りなく

  小さなものだったとしても、何かに縋ってでも生きたいと思うのが“人間らしさ”なのかもしれない。

  ここに我々の軌跡を記す。願わくば、この記録が後世の糧とならんことを。

―――― ロベルト・アルガード 』 

荒廃してゆく世界を横目に見ながら、旅をする一行がいた。彼らはただ指を咥えて死を待つよりも、何かを成し遂げたいと

願う者ばかり。いや、そう思いたい者ばかりだった。終わりかけた世界で愚かなことだとバカにされることもあった。しかし彼

らは旅を続けた。決められた“未来”に抗うために。そして彼らは“過去”を失くした一人の少女に出会う――。

リシェをくわえた一向は不思議な街に到着する。地図にも載っていないそこは、かつて多くの人々がいた形跡だけが残り、

今もなお静かに佇んでいた。夜も更け、疲れもピークに達していたことから、一向はキャンプを張ることに。翌日の調査に

胸を躍らせる一方で、リシェの身に、異変が起きていたことを知る者は――。

​異変は一つじゃなかった。その原因jをつかむため、一向は結晶の柱を目指す。

途中、頭痛に襲われたウェイド。キースの機転で先を行く3人と別れてペースを落とすが、リシェは心配そうにしていた。そんな時、脳裏に浮かんだ光景。それはよく知る二人が「約束」を交わすシーンだった――。

合流した一行は、2人1組になって別々の方向から調査を始める。

​直面した現実にそれぞれが想いを馳せるなか、今度はリシェを頭痛が襲っていたが、ウェイドは気づかないでいた。

一方、まだまだ子供だと思っていたレイラの成長を感じたロベルトだったが――。

​それは明らかに風景に溶け込んでいなかった。ひっそりと隠れるようにあったそれは、かつて一人の研究者がいた場所。

この現状を打破する何かがあるはずと考えたロベルトだったが、ウェイドはその景色に見覚えがあった。

そして同じ研究者であったルーシアの口から出た言葉に、一同は動揺を隠せないでいた――。

二人が出会ったのは本当に偶然だった。​己の死を覚悟した者と、一人研究に夢中だった者。

きっかけは何であれ、共に過ごし始めた二人の心には、互いに知ることのない感情が生まれていた。

時が流れ、ようやく未来へ繋がる出会いがあったことを、彼女は嬉しく思っていることだろう――。

​地下室から先に逃げた三人だったが、リシェは心ここにあらずといった感じだった。

そして崩落の危機を免れた二人と合流したのも束の間、一行を謎の現象が襲い掛かる。

​少しずつ変化を見せている世界で、変わらないものを胸に、ウェイドは突き進むのだった――。

自分が自分らしく在るために、必死に抵抗するリシェ。その甲斐もむなしく、ついにそれは分かたれた。

その僅か後、二人の元にたどり着いたウェイドたちが目にしたのは…。

​一方ロベルトは、この状況さえも初めから決まっていたことではないか。そう考えていた――。

​リシェを連れて、再び逃げることになったウェイドとレイラは、途中、リシェに疑問を投げかけられる。

上層に残り、地下と同様にルーシアと対峙していたロベルトとキースは、崩壊を始めた柱に焦りを見せるが、死を覚悟したと

​思われた彼女の顔は意外にも――。

​崩壊した柱へと着いた三人は、ロベルトとキースを捜していた。そんな二人の前に無傷のルーシアが現れる。

ルーシアは身動きできない二人を嘲笑うかのように痛めつけ、それに煽られたウェイドもまた…。

​繰り返される暴力に、殺意に、もう一つの欠片が蓋を開けるのだった――。

NEW!!

ウェイドたちの前から姿を消したリシェはルーシアと対峙していた。自らの命ですべてが丸く収まるならと、一度は死を覚悟

​したものの、ウェイドがくれた言葉が耳に残っていて…。

​すべてが終わる。そう思った時、世界を光が包み込んだ――。

​2018年3月~2018年6月

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