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声劇×ボカロ_MDV-M

第2章  ミーティア
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第9話 《 降り注ぐ痛み 》
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

【登場人物】

 

 ミク
大昔に作られたとされるヒューマノイド。
失くした記憶を取り戻すため、ザインらと行動を共にする。

 


 ザイン
世界を旅するトレジャーハンター。情報通。
地下組織"オーバード"のイニスは幼馴染でもある。

 


 アイナ
ザインが所有権を持つ汎用ヒューマノイド。
乗り物だけでなく、地上用のシェルならば操縦可能。

 


 ヴァン・シャルク
王国騎士団所属で"カルテットリッター"のリーダー格。
融通が利かないこともあるが、国への忠誠は強い。

 


 ライラ・オヴェスト
王国騎士団所属で"カルテットリッター"の紅一点。
ヴァンの右腕とも言える、お目付け役ポジション。

 


 ガロン
シンガ王国のコルネット女王に雇われている傭兵集団"ディスコード"のリーダー。
状況判断に長け、癖のあるメンバーをまとめる。

 


 エドルド・クレイバー
ジーグ帝国皇帝。己の目的のためには手段を選ばない。
不可侵協定を破り、大部隊を率いてシンガ王国に侵攻中。

 


 通信兵
帝国軍所属の通信兵。皇帝の命令を全兵士に繋ぐ役割。

 

 


 -------------------------------------------- 
| 港町カリヨン                                     |
|                                            |
|シンガ王国の王都カンティレーナの真西に位置する港町。                  |
|海を挟んだ先にあるメノ大陸への連絡船が出ているため、王都に次いで人の往来が多い場所。  |
|ヘミオラ海峡のフィドル港と同じく、交易の重要拠点の一つとなっている。          |
|                                            |
 -------------------------------------------- 

 

 

 

《注意(記号表記:説明)》

 

「」 → 会話(口に出して話す言葉)
 M  → モノローグ(心情・気持ちの語り)
 N  → ナレーション(登場人物による状況説明)

 


※ただし「」との区別をつけるため、MおよびNは、:(コロン)でセリフを表記する。
 また本編は"N(ナレーション)"の中に"M(モノローグ)"が含まれることが多い。

 

 


【本編】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 


ザイン N:アイナのメンテナンスを待つ間、俺は研究塔の人間に、化物の類の話を知らないか聞いてまわった。
      だが皆首を傾げるばかりで、これといった有力な情報は掴めずにいた。

 

 

ザイン「参ったな。探すにしたって、どこをどう探せばいいんだ?これだけ聞いて誰も知らないって言うんだか
    ら、それこそ辺境にまで足を伸ばす必要も出てくるぞ」


ミク 「ねぇ、ザイン。私は診てもらわなくていいの?」

 


ザイン「あぁ?あー、そうか。お前もヒューマノイドなんだよな。今まで同じ"人"として接してきたから、すっ
    かり忘れてたわ。で、どこか調子が悪かったりするのか?」

 


ミク 「ううん。別にそういうわけじゃないんだけど」

 


ザイン「ならいい。ここの連中からしたら、お前はいわゆる理想形だ。ヘタに正体を明かして、バラバラにされ
    たらたまったもんじゃないからな」

 


ミク 「バ、バラバラ!?ここの人たちって、そういう感じなの?」


ザイン「研究者ってのは、自分の説や推測を確かめたがる人種だ。結果的にそれが、よりよいものを作ろうとい
    う意識から来てたとしても、我を忘れて狂行に走る者がいるのもまた事実。そんな巣窟ともいえるこの
    場所に、ヒューマノイドってだけで置いてくほど俺もバカじゃない」

 


ミク 「そうなんだ。ありがと」

 


ザイン「礼なんてよせ。お前は今まで通り、やりたいようにやってればいい。正体を知ったからといって、今ま
    でとこれからが変わることはない。そうだろ?」

 


ミク 「うん。そうだね」

ザイン N:ミクは少し微笑んだように見えた。素性を知られたことで、不安な気持ちもあったのかもしれない。

      限りなく"人"に近い、完全体と言ってもいいほどのヒューマノイド。俺はそっち系は専門外だが、
      人の傲慢さは理解できる。星の危機が迫ってる今、余計なことはしたくない。

アイナ「すみません、お待たせしました」

 


ザイン「おう」

 


ミク 「おかえり、アイナ」

 


アイナ「それで、どちらに向かいますか?」

 


ザイン「それなんだがな…」

 

 

ザイン N:俺はアイナに情報集めに手こずってることを伝えた。事が事だけに、あまりぐずぐずはしてられ
      ない。予定ではアイナが戻った時点で、目的地へと発ってるはずだった。

アイナ「そうですか。あの、マスターは御存知かと思いますが、私たちはメンテナンスの間も、動力の源である
    核を修復する時以外は、意識が途切れることはありません」

 


ザイン「ああ」

 


アイナ「なので私も私なりに、何か情報はないかと聞き耳を立てていたんですが、ここより西の、海を渡った
    先にあるアルモニカの外れで、最近怪鳥の目撃があると」

 


ザイン「なに!?」

 


アイナ「彼らはそれを笑い飛ばしていました。見間違いに尾ひれがついた作り話だろうと」

 


ミク 「怪鳥…」

 


ザイン「……その話が本当なら、そいつはあの絵の一匹かもしれないってことか」

 


アイナ「可能性の一つとして、ですが」

 


ザイン「最近ってとこが気になるな。スティンガーもそうだった。あいつの噂を聞くようになったのも、ここ
    数ヶ月のことだ。もしもそれが、誰かの意図するものだったとしたら…。いや、それは考え過ぎか」

 


アイナ「いかがなさいますか?」

 


ザイン「どうせ他に行く当てもないんだ。行ってやろうじゃねえか。第2の大陸"メノ大陸"へ!」

 


アイナ「そうなりますと、まず向かうべきはシンガ王国の西、メノ大陸との玄関口であるカリヨン港ですね」

 


ザイン「ああ。だがシンガか…」

 


アイナ「はい」

 


ザイン「あそこは今、帝国の侵攻で混乱してるはずだ。カリヨンから出るオスティナートへの連絡船も、避難
    する人々で溢れ返ってる可能性がある」

 


アイナ「ですが他にあちらへ行く手段は…」

 


ザイン「しょうがねえ。とりあえず行くだけ行ってみるか。あ、おい!そこのあんた!ちょっと伝言を頼みたい
    んだが」

ミク N:目的地が決まったからか、ザインは人を呼び止め、何やら話をしている。
     協力関係にあるイニスに、行き先を伝えるためだろう。

ミク 「ねぇ、アイナ」

 


アイナ「はい?」

 


ミク 「……何も聞かないの?」

 


アイナ「なんのことでしょう?」

 


ミク 「……ううん。何もないならいいの」

ミク N:私はヒューマノイドで、彼女もヒューマノイド。同じはずなのに、どこか違う。
     理想形だとか完全体だとか、そういうんじゃない。
     私の正体を知った彼女は、なんとなく私がいる意味や理由を理解してるように思えたから。

     でもそれは、まだ私がたどり着いていない答え。

ザイン「悪い、待たせた。それじゃ、行くか」


* * * * *

 

 


ヴァン「撤退だ!全機撤退!ただちに戦場を離脱しろ!!」

 


ガロン「なんだと!?ふざけんな!あと少しだろうが!」

 


ヴァン「予想よりこちらの被害が大きい。それに敵の本隊がそこまで来ている。これ以上の追撃は無理だ。やり
    たければ勝手にやれ」

 


ガロン「ちっ。お前ら、退くぞ!」

 

 

ガロン N:こちらとしても、燃料に不安がある。本隊の相手をしてる間にやつらに補給され、またこちらに
      戻って来られでもしたら、立場が逆転する可能性もある。

 

      撤退に不満気な三人をなだめ、俺たちは騎士団とともに戦場を後にした。

 


 + + + +

 

 


通信兵「先行部隊の残存機、全ての帰投を確認」

 


エドルド「全機停止。砲撃用意」

 


通信兵「了解。全機停止。砲撃用意。繰り返す。全機砲撃用意」

エドルド N:我々がこれ以上進むことはない。
       まだ橋を渡ってもいないが、初めから王都まで行くつもりはなかった。

 

       星屑の届く距離。それがちょうど橋の手前、この場所だったからだ。

 

 

通信兵「全機、砲撃準備完了」

 


エドルド「整備と補給を急がせろ。やつらにはまだ働いてもらわねばならん」

 


通信兵「はっ。2番隊は至急アルアクロス、マッドギア両隊の整備と補給を…」

 


エドルド「さて、どうなるか。………発射」


通信兵「全機発射。繰り返す。全機、目標に向け発射」

エドルド N:合図で撃ち上がった弾の数々は、綺麗な孤を描き、空を駆ける。
       空を駆けた次は、落ちていくだけ。その先にあるのが、カンティレーナだ。

エドルド「ふっ。ふっふっふ。はっはっはっは!!……落ちよ、シンガ!」

 

 


 + + + +

 

 


ライラ「ヴァン!背後から熱源接近!すごい数よ!」

 


ヴァン「バカな!?やつらの援護にそんな数……。まさか!?」

 


ライラ「狙いはこっちじゃないわ!軌道が高すぎる!」

 


ヴァン「くそ、皇帝め。狙いは初めから陛下だけだったのか!それにこの数は、王都の周りごと吹っ飛ぶぞ。
    全機、空からの攻撃に警戒しつつ、全速力で戻れ!王都を守るんだ!!」

 


ライラ「私もすぐに行くから、あなたが先に行って!あなたの"プレスト"なら、きっと間に合う!お願い、皆を
    守って!!」

 


ヴァン「わかってる!」

ヴァン N:見事に罠にはまり、王都の守りは薄くなった。初めから長距離の砲撃が狙いだとわかっていれば、
      俺たちが本来の場所を守っていれば、きっとここまで焦ることはなかった。

 

      流星とも言える弾幕に必死に抗う姿を、今頃皇帝は笑って見ていることだろう。

ヴァン「ナノ!レッタ!!……くそっ、なんで繋がらない!!」

 

 

ヴァン N:電波障害でも起きているのか、王都に残る二人と連絡がつかない。
      肉体への負担を省みず、限界まで速度を上げたことで、なんとか間に合いそうだというのに。


      たった一人で何ができる?そう誰かが耳元で囁く。
      わかっている。一人ではどうしようもないことも、放たれてしまった今では後の祭りということも。

 

      それでもこの国を守るための王国騎士団。
      俺はその中のトップ、"カルテットリッター"の北の守護者だ。簡単に退くことはできない。

 

 

ヴァン「信じてるぞ、二人とも」

 

 


 + + + +

 

 


ガロン N:俺たちが退いたのは、初めに戦況を見守っていた崖の上。
      直後は騎士団についていく形で撤退したが、俺たちは傭兵。慣れ合うつもりはない。
      今後も帝国を相手にするならと、ちょっとした偵察の意味も込めて、様子を窺うことにしたのだ。

 

      それが異変だと気づくのに、あまり時間はかからなかった。
      進軍していた本隊が橋の前で停止し、まるで花火でも打ち上げるかのような高さに、一斉に弾を
      放つ。砲撃の音はしばらく続き、あまりの長さに耳障りさえ覚えた。

ガロン「こいつら何を狙って…」

 

 

ガロン N:重力がある以上、空を羽ばたく鳥やスカイシェルでもない限り、それは必ず落ちてくる。
      打ち上げたということは、その軌道上、もしくは落下点が標的。海峡やフィドルの周りには、機影
      らしきものは見当たらない。とすれば…。

 

 

ガロン「ちっ、そういうことか。お前ら、ここを離れるぞ。せっかく見つけた得意先だったってのに、帝国の
    やつらめ」

 

 

ガロン N:放たれた弾の落下点は、おそらく王都だろう。何も知らない連中からすれば、まるで星が降ってき
      たかのような攻撃だ。騎士団も全力で対処するだろうが、あまりにも数が多すぎる。何より、これ
      までに計測された砲撃の距離を、大幅に更新した帝国の技術力が半端ない。

 

 

ガロン「さて、どこに行ったものか」

 

 

ガロン N:この国のやつらには申し訳ないが、俺たちはヒーローでも偽善者でもない。
      今回は国のトップが取引相手だっただけで、元々金にならないことはしないのが傭兵ってやつだ。
      もちろん相手が王となれば、それなりの報酬はもらえるだろう。
      だが国が無くなるなら、話は別だ。あくまでも仕事。恩や義理なんてものはない。

 

 

ガロン「仕方ない。いったんオブリガードに戻るぞ」

 

 


* * * * *

 

 

 


ザイン「おいおい、こいつはどういうことだ?」

 

 

ミク N:世界を知らない私は、道中二人にいろいろと教えてもらった。
     知識があるといっても、文化や情勢には疎い。
     私がずっと昔に作られた存在であるならば、それはなおのこと。

 

 

アイナ「止まりますか?」

 

 

ミク N:歩きでは遠いからと、オーバードから地上用の機体を1機借り、私たちはカリヨンを目指していた。
     異様な光景を目にしたのは、国境を抜けシンガに入ってすぐのこと。

 

 

ザイン「いや、いい。そのまま進め」

 


アイナ「わかりました」

 


ミク 「すごい…。これ全部人間?」


ザイン「たぶんな。……この方角は王都か。避難してきたと見て間違いないが、それにしてもなんて数だ」

 


アイナ「誘導に騎士の姿が見えますが、話を聞いてきますか?」

 


ザイン「確かに気にはなるが、先を急ごう。王都に何かあったとすれば、メノ大陸への手段が断たれるのも時間
    の問題だ。今はあちらへ向かうことを最優先に考えなくては。この状況だと、カリヨンも人で溢れてる
    だろうしな」

 

 

ミク N:ザインの読みは当たっていた。
     王都の真西にあるカリヨンには、メノ大陸へ渡ろうとする人でごった返していた。

 

     先にカデンツから連絡を受けていたオーバードの人間に機体を渡し、私たちも船を待つ列に並んだ。
     その時だった。悲鳴にも似た声が上がり、人々が空を指差し始めたのは。

 

 

ザイン「なんだ!?こいつらいったい何を指して……。なっ!?」

 


ミク 「なに…あれ…。流れ星…?」

 


アイナ「いえ、あれは…!」

 


ザイン「砲撃だ!!」

ミク N:日の光を浴びた無数の星が、王都のある方角に降り注いでいた。
     その一部はカリヨンのすぐ近くにも落ち、悲鳴はさらに大きくなる。
     船着き場は混乱し、我先にと人々が船に乗り込もうとしていた。

ザイン「落ち着け!!……くそ、無駄か!アイナ、ミク!離れるんじゃねーぞ!」

 


ミク 「う、うん!」

 


アイナ「こちらへ」

 

 

ミク N:押し寄せる人波から守るように、アイナは私に覆いかぶさる。
     突き飛ばされても踏みつけられても、彼女は私を放そうとしなかった。

 

     アイナの腕の中で、私は人が生んだ負の感情に息が詰まりそうだった。
     そのほとんどは恐怖。死に直面した、明日どころか数分先さえ真っ暗な闇。
     光なんてない。絶望しかない。そんな感情が、流れ込んでくるような感覚があった。

 

 

ザイン「大丈夫か!?」

 


ミク 「わ、私は…。でもアイナが…」

 


ザイン「立てるか、アイナ」

 


アイナ「……っ。は、はい…」

 


ザイン「ミク、こっちだ。ひとまず砲撃が収まるのを待つ」

 


ミク 「う、うん」

 


ザイン「それにしても帝国め、いったいどこから…」

 


ミク 「帝国?」

 


ザイン「ああ。不可侵協定が結ばれてる今、砲撃を仕掛けてくるのは、それを破って侵攻してきた帝国以外に
    ない。だが帝国軍はバルカロールで足止めされてたはずだ。この国の騎士団によってな」


ミク 「騎士団?……あっ」

 


ザイン「思い出したか?妙だと思ったんだ。ここに来る前に見た避難民が来た方角は王都だった。おそらく
    コルネット陛下はどこからか情報を仕入れ、砲撃が到達する前に民衆をオブリガードに向かわせた
    んだろう。それでもこの惨状だ。王都には逃げ遅れた者もいただろう」

 


ミク 「そんな…」

 


ザイン「前にも言ったな。何かしてやりたいと思うのは立派なことだが、まずは自分の身を守ることが最優先
    だ。お前やアイナがヒューマノイドだからといって、誰かの盾になる必要はない」

 


ミク 「うん、わかってる」

 


ザイン「でもまぁ、アイナがしたことは、お前を守りたくてしたことなんだとわかってくれ。矛盾して聞こえる
    かもしれんがな」

 

 

ミク N:ザインの言いたいことはわかる。
     ヒューマノイドは人のために作られたモノ。だとしても人と同じように感情があれば、その機能を
     停止することがどういうことか、命あるものが行き着く先は変わらないのだと、そう言いたいんだ。

 

     ただその感情を無視して、モノとして盾になるなと…。

 

 

ザイン「……収まったか。アイナ、動けるか?」

 


アイナ「はい」

 


ミク 「え?」

 


ザイン「アウフタクトに行って正解だったな。イニスに聞いたぞ。少しボディを強化してもらうように言って
    おいたってな」

 


アイナ「はい。今後の旅では、必ず私の力が必要になるからと」

 


ザイン「ったく、ほんとあいつの読みは昔から気持ち悪いくらい当たるな。なんにせよ、よかった」

 


ミク 「大丈夫、なの…?」

 


アイナ「はい。ご心配かけてすみません」

 

 

ミク N:私が抱きつくと、アイナは少し困ったような笑みを見せていた。

ザイン「……ん?なぁ、ミク。腕の傷、増えてないか?傷、というより文字のようにも見えるが」

 


ミク 「うん、そうだよ。あの子たちがいなくなっちゃったからね」

 


ザイン「それはつまり、あの2匹が死んだから浮かび上がったと?」

 


ミク 「そうみたい。あの子たちと私のこれが、どういう関係にあるかはわからないけど、これが出てくると、
    いなくなっちゃったんだってのはわかるから」

 


ザイン「ただの横に入った傷に見えたのは"I"。で、こっちが"N"か。あと2匹。あと2つってことか」

 


ミク 「その時は全て説明できると思うよ。私が生まれた意味も、この星のことも」

 


ザイン「そうだな」

 

ミク N:記憶を取り戻すのに必要なこととはいえ、あの子たちを犠牲にしなければならないことに、私は
     戸惑っていた。かといって、このままではどうにもならないことも。

 

     どんな状況でも、必死に抗う彼らを見てしまったのだから。

 

     この日、シンガ王国の王都カンティレーナは、無数の流星の被害を受け崩壊した。
     コルネット女王陛下は避難民とともにオブリガードに向かったとされるが、その真偽は定かではない。

 

     残る2つの記憶の欠片。
     彼らが伝えるのは、希望か、はたまた絶望か――。

 

 

 


M-09 "降り注ぐ痛み"

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