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洋平 N:空になりました。

* * * * *


洋平 N:葬儀から三ヶ月が経った。
     俺は今も変わらず、瀬李を空から見守っている。

 

     無理だとわかっていても、泣いてる君の元へ飛んで行きたくて、どうしたら届くか考えて。
     考えても考えても、何故飛んでいきたいか。それから出る結論は一つだった。

 

 

     わかっていた。君の中に居る俺は、もう過去だって。
     どれだけ望んでも、戻らない。俺はもう――。

 

 

瀬李 「洋平!」

 

 

洋平 N:そして半年が経った。
     時が経つのはあっという間なのに、君の時間はあの日から止まっているように見える。

 

     それでもゆっくりと歩き出しているのがわかる。

     楽しかったあの日々が、今でも溢れてくる。
     泣いてる君をもう見たくないから、明日から笑って過ごしてほしいから、君からの手紙を返します。

 


     最果ての君と紡ぐ、心で紡ぎあえる言葉を、メロディーを、いつの日までも。

 

     きっと、ずっと…。

≪ タイトルコール ≫

 


瀬李 「 Answer a letter 」  or 『 手紙の返事 』
    (アンサー ア レター)


洋平___________________________________________
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  瀬李へ

 


あの日俺は、目が覚めたら何故か君の傍にいた。
眠った覚えもないままだったから不思議だったけど、それ以上に目の前の君が泣いてることが嫌で。
何度も何度も声をかけたけど、一度も届かなかった。

 

自分が死んだと知ったのは、それからすぐのこと。
憧れていた空を近くに感じて、飲み込まれていくようで怖かった。
それに俺から遠く離れて、霞んでいく君。
手を伸ばしても届かない、触れられないことに、俺は怒りさえ覚えた。

 


なんて、こんなこと言いたいんじゃないんだ。
あのな、俺のことを想って、俺のために泣いてくれたのは本当に嬉しい。
でも君は優しすぎる。忘れろとは言わない。
俺だって…。
俺だって、この先もずっと一緒に居たかった。
でももうそれは叶わない。だから――。

 

新しい幸せを望んでも、いいんだよ。
泣いてる今の君を、俺はもう見たくないから…。


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瀬李 「洋平…?……うん、ありがとう」

 

 

洋平 N:やっと声が届いた。君から俺のよく知る笑顔がこぼれる。
     君の隣に居たいという願いは叶えられなかったけど、最期にちゃんと言葉が届いた。

 

     それは叶えることを許された。


     ありがとう――。

 

 

 

fin...

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